介護事業立ち上げガイド

訪問入浴介護

訪問入浴介護サービスは、自宅で寝たきりの人を対象に、
車で浴槽を積み込んで利用者の自宅まで運び、
自宅に浴槽を運び入れて、その浴槽で自宅にいる人を寝たまま入浴させるサービスです。

 

利用者に満足感を与え、継続利用へ発展させることができるサービスです。

訪問入浴サービスの人員基準

訪問入浴サービスの基準は、看護師(準看護師も含む)1人、介護職員2人の
計3人の体制で自宅において入浴をさせるのが基本です。
症状が安定した人に対しては、介護職員3人で入浴させるところもありますが、
その場合は、介護報酬が5%減額になります。

 

●人員基準

 

従業者: 看護職員を1人以上及び介護職員を2人以上、計3人。1人以上は常勤であることが基準です。

 

サービス提供責任者: 一回の訪問につき看護職員1人および介護職員2人、計3人が基準です。
          うち、1人をサービス提供責任者とし、主治医の意見確認のうえ、
          看護職員に介護職員の充てることも可能です。

 

管理者: 専ら職務に従事する常勤の管理者をおくことが必要です。
    ただし、管理上の支障がない場合は、事業所内の他の職種、
    または同一敷地内にある他の事業所・施設等の職務との兼務も可能です。

訪問入浴サービスの設備基準

訪問入浴サービスは、浴槽を積み込む装置として車が必要です。
車はリースの入浴車がありますし、最近は安価な新商品も出ています。
何社かの見積もりをとり、検討することが必要です。

 

●設備基準

 

設備および備品等: 事業の運営をおこぬために必要な広さを有する専用の区画を設けることが必要です。
         サービス提供に必要な浴槽等の設備、および備品等を備えることが必要です。

訪問入浴サービスの事業化のポイント

訪問入浴サービスの事業は、一台の車をどのように有効利用し、稼動させるか、
職員と車をセットで何軒訪問することができるかが事業の基本になります。

 

一般的には、一日6〜7軒以上が採算ベースといわれています。

 

●事業化のポイント

 

・距離

 

移動に近い距離で利用者が確保できるかどうかがポイントになります。

 

・提供ノウハウ

 

自宅を訪問してから、準備、体調確認、脱衣、入浴、洗髪、更衣、
片付け等の一連の作業を手際よく進め、
かつ利用者の満足を高めるサービス提供ノウハウが必要です。

 

また、言葉かけや羞恥心への配慮も不可欠です。

 

・健康管理に対する配慮や対応

 

感染症にかからないように、風邪を引かないように、疲労してしまわないように予防することが大切です。

 

訪問入浴サービスでは、入浴の対象者は医師が入浴を可能と認めた人で、
自宅のお風呂やデイサービス、デイケアでの入浴ができない人が対象ですから、
健康管理に対する配慮や対応が必要です。

 

訪問入浴サービスは、介護度が高い人が多く利用するサービスです。

 

・人材確保

 

人材確保が課題になります。

 

2006年の改定時から看護師の確保が難しくなり、
多くの事業所が派遣で確保しているのが実態です。

 

訪問入浴サービスは、重度の利用者が多いので、看護師の対応が不可欠です。

訪問入浴介護の申請基準

訪問入浴介護も訪問介護と同じように、
運営基準や運営規定、苦情処理、事故への対応、会計処理、
記録において、介護保険の指定を確保することが、
訪問入浴介護導入の申請基準の前提条件となります。

 

訪問入浴介護においても、運営規定の中で、事業の目的や方針、従業員の人数と職種、
職務の内容、営業日、時間、訪問入浴の利用料、その他の費用、実施地域、緊急対応、
その他重要事項を定めることが必要です。

 

苦情対応や事故発生時の対応についても、独自に体制を整えることが必要で、
提供したサービスについては記録し、そのサービスが完了してから2年間、
サービスについての記載記録を保存する事など、基本的に全てのサービスの共通点です。

 

さらに会計については、他の事業と区別することが必要です。

 

訪問入浴に行ったとき、必ず対象者の健康観察をおこない、健康状態を確認します。
その対象者の体調が悪い場合は入浴を中止し、
体の清拭をする事もあります。
その場合の介護報酬は、清拭の単価になります。
重度の要介護者の利用が多い中、このように清拭の収入となることは少なくありません。

訪問入浴介護事業化のポイント

訪問入浴介護は、重度の要介護者が利用することが多いサービスです。

 

自宅で暮らしている人の場合、訪問入浴は定期的に利用する傾向があり、
需要も必ず一定数ある事業として、今後のニーズも見込まれます。

 

また、単価も12500程度で、他のサービス提供よりも高いという点を考慮し、
いかに手際よく、利用者に満足感を与えるような入浴ができるかがポイントです。

 

介護保険のスタート時点では、
「訪問入浴は自己負担が導入以前に比べて増加するので利用が落ちる」という不安がありましたが、
その不安を払拭するほどの利用増加が起きました。
ですが、3年目には事業が赤字になっています。
これは、サービスが地域で増えたことによる競合が原因となっています。

 

競合は、訪問入浴だけでなく、通所介護の入浴サービスとの間でもおきています。

 

しかし、重度要介護者を在宅でケアする傾向になると利用は増えます。

 

このような背景の中、今後は事業化するにあたって、
地域の競合状況を事前にマーケットリサーチしてから参入しなければなりません。