介護事業立ち上げガイド

訪問介護

訪問介護サービスとは、ホームヘルパーが要介護と認定された人の自宅を訪問し、
ケアプランに基づいて介護サービスを提供する事業です。
そして、サービス提供に必要な人員の確保とマネジメントが重要になります。
2006年から要支援の認定者への予防訪問介護は、都道府県への届出が必要になっています。

指定訪問介護サービスにおける人員基準

(1) 訪問介護サービスに従事できるのは、
   厚生労働省のホームヘルパー養成研修カリキュラムの1・2級修了者か介護福祉士

 

(2) 人員数は常勤換算で2.5人以上が必要

 

(3) サービス提供責任者が常勤で1人以上必要
   (利用者40人またはその端数に対して1人)

 

    サービス提供責任者は、介護福祉士、1級ヘルパー、介護職員基礎研修首領者、
   または2級ヘルパーで、実務3年以上のもの、または、5年経験の
   基礎研修修了者の場合は10%減算。

 

   利用者は40人以下で1人、40〜80位以下2人、80〜120人以下3人など、
   40人を超えるごとに1人。

 

(4) 管理者が常勤で1人必要(ヘルパーでなくても構わない。他の職種と兼務する事も可能)

設備基準

訪問介護サービスの提供には事務所が必要です。
場所や広さの規定はありませんが、部屋は一画ではなく、専用の区画が必要です。

 

サービス提供に必要な設備や備品をそろえましょう。

訪問介護サービスにおける主要な運営基準のポイント

(1) 正当な理由なくサービスを拒否することはできない。
   困難な場合には他の事業所を紹介する。

 

(2) サービス担当者会議などで心身の状態把握を行い、
   環境や他のサービス利用状況を把握する。

 

(3) サービスに当たり、居宅介護支援事業者に依頼することにより
   法定代理受領が受けられることを説明する。
   (ケアプランを届けることにより保険で1割負担になる)

 

(4) 居宅介護支援事業者と連携する。

 

(5) 居宅サービス計画に沿ったサービスを提供する。

 

(6) 利用者がサービス変更を希望する時には、居宅介護支援事業者に連絡する。

 

(7) 訪問介護職員は、身分証を持参する。

 

(8) サービスの記録をする。

 

(9) 利用料の受け取りをする。

 

(10) 訪問介護計画を策定する。

 

(11) 同居家族へのサービスは禁止する。

 

(12) 利用者の不正は市町村に通知する。

 

(13) 緊急時は、主治医への連絡などの対応をする。

運営規定

運営規定として、以下の内容を定めなければなりません。

 

(1) 事業の目的と運営方針。

 

(2) 従業員の職種と員数、職務の内容。

 

(3) 営業日と時間。

 

(4) 訪問介護の内容と利用料、その他の費用。

 

(5) 実施地域。

 

(6) 緊急時対応

 

(7) その他の重要事項。

 

   ・苦情処理の体制について整える。
   ・事故発生時の対応について整える。
   ・会計は他の事業と区分する。
   ・記録はサービスが完了してから2年保存する。

軽度の要介護者は予防訪問介護に変更

2006年から、軽度の要介護者は、予防訪問介護に変更になりました。

 

介護保険制度の改定によって、要支援と認定された人は「予防訪問介護」に変わり、
報酬も月の定額制に変更されました。
また、訪問介護の提供者は、今後は「介護福祉士」を増やす方向になってきます。
そのために、ヘルパーに「介護福祉士」の資格取得を勧めることが課題になります。

訪問介護事業の経営

介護報酬は1割を利用者から受け取り、9割を保険請求するということになります。
事業に必要な経費のほとんどは人件費なので、
訪問介護事業の経営には、サービス提供に必要な人員の確保と、サービス内容や時間的な適合性などの
マネジメントがとても大切です。
介護労働安定センターの調査でも、介護不足、中でも訪問介護員の不足は深刻で、
需要にこたえられない現状があるなど、マンパワーの確保が第一の課題となっています。

 

2006年からは、特定事業所加算が導入されています。
この導入では、以下の内容を整備することで報酬アップを図ることが可能になります。

 

(1) 体制要件<研修や緊急対応など>の整備。
(2) 介護福祉士の比率など、人材要件の整備。
(3) 重度要介護者の比率等、重度介護等対応要件の整備。

 

さらに、2012年度からは、定期巡回訪問介護や、複合サービスはサービス付き住宅への
複数のサービス併設等の新たなサービスがスタートしています。
この競合では、大規模事業所にとって有利な展開になりますが、
小規模事業所では、独自のサービスの工夫が必要です。