介護事業立ち上げガイド

介護報酬のポイント

(1) 公定単価。

 

(2) 単位で表示。

 

(3) 地域区分ごと、サービスの種類ごとに単位換算金額が異なる。

 

(4) サービスの種類や量によって単位が異なる。

 

(5) 要介護者の介護度によって変化。

 

(6) 自由単価のものもある。

介護報酬とは

介護報酬とは、介護保険で規定された各サービスごとの単価です。
介護保険が適用されるサービスに限り、単価が決められています。
そして、介護報酬は公定価格です。

 

一般的なビジネスの場合は、自分で自分の店の売り物の単価を決めることができます。
同じものでも、古くなったものを半額にしたり、日によって割引にしたりする事もできます。

 

ですが、介護保険の単価は、厚生労働省が基準を定めて決めていますから、
人によって単価を変えることはできませんし、
日によって単価を値上げしたり値下げすることはできません。

 

2000年4月から始まった介護報酬は、2003年、2006年、2009年、2012年と、
3年ごとに見直しがされ、次は2015年に見直されます。

介護報酬は単位で表示

介護報酬は「単位」という表現で定められています。
例えば、訪問介護の一時間の単価は「402単位」というようにです。

 

この単位を金額に換算し、サービスを提供する場合に利用者に価格を提示し、
了解をとります。

 

介護保険ではその9割が保険対象となり、残りの1割は自己負担です。

地域区分ごと、サービスの種類ごとに単位換算金額が異なる

介護報酬は、地域区分ごと、サービスの種類ごとに単位換算金額が異なります。
さらに、その前提として、一単位当たりをいくらで換算するのかという換算金額が
地域区分ごとに異なります。

 

地域によって換算金額がことなるのは、
都市部は人件費が高く、介護サービスを提供する事業所の賃貸料や経費が
より多くかかるためです。

 

そのため、首都圏や都市部などでは、換算の金額が上げられているという特徴があります。

 

地域区分は、1級、2級、3級、4級、5級、6級、その他の7地域に分かれています。
通常は1単位を10円で換算するのが基本ですが、
7地域ごとに1単位の換算の金額が異なります。
地域区分ごとに換算の単位が異なるのに加え、
サービスごとにも1単位当たりの介護報酬の換算が異なります。

 

例えば、東京23区は一番単価が高く1級です。
今までの4区分から7区分への変更は、公務員の地域区分加算にあわせ、
2012年からスタートしたものです。

 

中には、地域区分が異なっても単価が変わらないサービスもあります。

 

問えば、居宅慮要管理指導は、どの地域でも1単位が10円で換算されます。
ですが、例えばホームヘルプサービスと訪問リハビリの場合には、
同じ地域区分でも1単位当たりの換算金額は異なっています。

 

特別区である東京23区の例では、
訪問リハビリの1単当たりの換算が10円99銭で、
訪問介護サービスの場合は11円26円で換算するというように、
サービスによって1単位当たりの換算金額も異なります。

サービスの種類や量によって単位が異なる

介護報酬は、各サービスの種類や量によって単位数が異なります。

 

例えば、訪問看護を受けた場合と、ホームヘルパーによる訪問介護サービスを受けた場合で、
同じ1時間のサービスを受けたとしても単位数が異なります。

 

具体的には「訪問看護の場合には、830単位であり、
ホームヘルパーからのサービスを受けた場合には、身体介護で402単位である。」
というようにです。

 

また、サービスを受ける量によっても単位数が異なることもあります。

 

自宅を訪問するサービスの場合では、訪問看護は20分未満、30分未満、30分を超えて1時間未満、
1時間を超えて1時間半未満の4種類に単位が分かれていますが、
ホームヘルプサービスの場合は、
身体介護4時間サービスを受けるというものもあるので、
20分未満、20〜30分未満から30〜1時間未満、1時間を超えて90分未満、
さらにそれが2時間、2時間半と増すにつれて30分ごとに単位数を加算します。

 

このように時間に応じて単価が変わり、つまり、介護報酬が変わってきます。

 

サービスの中には、サービスを利用した時間に関係なく、
1回、2回というように回数ごとに単位数が決められているものもあります。
例えば、入浴サービスの場合には、「1回」で数えます。

要介護者の介護度によって変化

公定単価である介護報酬は、サービスの種類ごと、量によって単価が異なります。
サービスによっては、サービスを受ける介護度により、単価がことなるものもあります。

 

通所サービスや短期入所など、施設系サービスの場合は、
それを受ける人の介護レベルが軽度の人と中程度の人、重度の人では、
その人の介護にかかる時間や介護の密度が変わります。
そのため、サービスは受ける人の介護度レベルにより単価が変わっています。

 

単価は、要介護別に別れています。

 

国は、重度中心型へと誘導しているため、単価も軽度介護レベルは下がり続けています。

自由単価のもの

介護報酬の中には、自由単価のものもあります。

 

介護保険が適用されるサービスの中で、福祉用具のレンタルや福祉用具の販売、
住宅改修がありますが、この中で介護報酬という形で単位数で表すのは
福祉用具のレンタルサービスです。

 

対象となる福祉用具に関しては、車いす、ベッド、杖、体位変換器などで、
それらの福祉用具を『いくらでレンタルするのか』については、サービスを提供する事業者が、
独自に決めることができるようになっています。

 

福祉用具レンタルの場合は、1単位の換算は全国一律で10円です。
ですから、一ヶ月5000円で車いすをレンタルする場合は、介護報酬は500単位と記載します。

 

販売する福祉用具の場合は、年間10万円まで介護保険給付の対象になりますが、
その福祉用具の単価も事業者が自由に決めることができます。

 

さらに、介護保険では、1住宅あたり20万円までの住宅改修の費用が介護給付されますが、
この住宅改修も「手すりをいくらでつけるのか」や「段差解消をいくらでするのか」など、
各事業者が自由に単価をつけることが可能です。

 

住宅改修を行った際は、その見積もりを見て、利用する人が注文を出し、
その図面や申請書、写真を添えた領収書をつけて請求すれば、
9割までが介護保険で負担されます。

 

このように、介護報酬は地域区分ごと、サービスの種類ごと、サービスの量ごとにそれぞれ単価が異なります。

 

ですが、介護サービスを利用する高齢者や認知症の高齢者が自分で、
「自分が受けるサービスがいくらなのか。」、「自己負担がいくらなのか。」を計算するのはとても難しいことです。

 

ですから、サービスを導入する際のシステムとしては、
ケアマネジャーが一人ひとりのケアプランを作成するのと同時に、
介護報酬単価を計算し、毎月の利用額や各自の自己負担がいくらになるのかを提示し、
その自己負担額やサービス金額を利用者が承認し、了解した上で行うようになっています。

 

介護保険のサービスごとの単価は3年ごとに見直され、次回は2015年です。

 

公定価格ですから、勝手に値上げをすることは叶いませんが、
サービス事業者が一律に自社のサービス価格を下げることは認められています。

 

例えば、地域で後発でサービスを開始しようとする事業所が、
顧客獲得の戦術として、公定価格の一割引でサービスを提供することがあります。
この場合は、単価を一律に下げることは可能です。
ですが人によって、介護レベルの違いによって割引を変えることなどはできません。