介護事業立ち上げガイド

介護ビジネス

介護ビジネスとは、介護が必要な人、或いは介護をする人に対して
サービスや商品を提供することです。
ですから、要介護者、或いは要介護者になる手前の要支援者、
要介護者や要支援者をサポートする介護者が対象になります。
そして、介護サービスを大きく分けると、「介護保険の対象サービス」、
「介護保険対象外のサービス」、「介護関連ビジネス」の3つがあります。

 

(1) 介護保険の対象サービス

 

介護保険の対象のサービスは、介護保険の被保険者になっている人が対象になります。

 

健康保険の対象と同じように、介護保険も保険がきくサービス対象が決められていますから、
介護保険の被保険者が、要介護状態になった場合、保険でサービスを提供します。

 

サービスの内容は、「自宅にいる要介護者を対象にしたサービス」と、
「施設サービス」があります。

 

在宅の要介護者を対象としたサービスの種類

 

・自宅でサービスを提供するもの(6種類)
・自宅から通ってくる人を対象にサービスを提供するもの(2種類)
・自宅から短期入所施設に入所してくる人を対象にサービスを提供するもの(2種類)
・住所を移す居住系サービス(2種類)
・その他(2種類)
・2006年からスタートした市町村の指定を受ける地域密着型の小規模サービス(2種類)
・2012年からスタートしたサービス(2種類)

 

訪問サービスの場合は、事務所が必要です。
ですが、設備を必要としないので初期投資は少なくて済みます。
しかし、設備費を必要としない分、人件費がかかりますし、人のマネジメントも必要です。

 

通所サービスの場合は、一定の施設が必要です。
送迎などの対応も求められますから、
いかに初期費用を抑えるかについても考えなければなりません。

 

短期入所サービスやケア付き住宅の場合は、一定の規模の建物が必要です。
食事や夜間の対応についても求められます。

 

既存の薬局や医療機関が提供できるサービスや、
福祉用具・福祉機器などの物販に関するサービスもあります。

 

これらのサービスで介護保険を適用させるためには、
都道府県から指定を受けることが必要です。
(2006年からは市町村が指定する地域密着型サービスもあります。)

 

* 住宅改修は、事業者指定を受けずに介護保険が適用できます。

 

(2) 介護保険対象外のサービス

 

介護保険がきく在宅サービスは限定されています。

 

ですが、要介護状態になったときに必要なサービスは16種類に限られません。
他にもたくさんのサービスを必要とします。

 

要介護状態の人が必要とする介護保険対象外のサービス例

 

・配食サービス

 

食事を自宅に届けるサービス

 

・移送サービス

 

介護が必要な人の通院や買い物、外出に対して車で移送するサービス

 

・緊急通報サービス

 

自宅に通報装置を設置し、体調が悪くなったりした時などに対応するサービス

 

・有料老人ホームの情報提供サービス

 

このようなサービスの他にも、色々なサービスを必要とする要介護者がいます。
要介護者のニーズに応えられるサービス、また、要介護者を取り巻く家族が必要とするサービスを
素早く提供していくことが求められます。

 

(3) 介護関連ビジネス

 

要介護状態の人、つまり介護が必要な人が自宅で生活するために必要なものは、
介護サービスや介護商品だけでなく、
様々な生活関連サービスや商品が必要になります。

 

そのための介護関連ビジネスとして、色々なビジネスが考えられます。

 

私たちヒトの生活は、「衣・食・住」だけでなく、
コミュニケーションやレクレーション、学習など色々な分野があり、
その生活の幅だけ存在します。

 

衣の分野

 

介護が必要な人のためのファッションや衣服、
介護が必要になったときの衣服の作り変えなど、
それぞれの人の体の状態に合わせて求められます。

 

食の分野

 

配食サービスが思い浮かびますが、他にもそのまま温めてたべられるおかず、
高齢者向けに調理された食品の販売、
買い物に行くことができない人を対象にした食材を自宅に届けるサービスなどがあります。

 

嚥下機能が低下した高齢者が食べやすいようにペースト状にした食事、
飲み下しができない人の食事を補助する嚥下補助剤などの治療食や介護食などの販売なども、
『食の分野』の商品・サービスに該当します。

 

また、高齢者や要介護者を対象にした外食産業にも工夫が必要です。
レストランメニューの工夫、コンビニエンスストアでの一人用惣菜などがあります。

 

住の分野

 

住の分野では、要介護者に対応した住宅の改修・住宅関連機器などがあります。

 

要介護者を対象としたトイレや浴室などは、
介護をする人・される人双方にとって、快適な生活を送るために切実な問題になります。
今以上の、より質の高い商品、サービスの提供が求められます。

 

移動の分野

 

「移動」という分野は、高齢者や要介護者にとって切実な問題です。
毎日の生活の中で、福祉車両といわれる車いすのまま乗ることができる車両や、
車いすから乗り移ることができるように工夫した車両などがあります。
このような車の開発は、全てのメーカーが行っています。

 

娯楽・コミュニケーションの分野

 

障害者や車いすを利用している人を対象にした旅行や、
高齢者に配慮したシルバースターつき温泉旅館なども
介護関連ビジネスの対象になります。

 

コミュニケーションにおいて、不自由を感じている障害者や高齢者を対象にした
補聴器の販売やレンタルサービス、トーキング・エイドという形でのコミュニケーションの
補助機器なども介護関連ビジネスの対象になります。

 

このほかにも、色々な介護関連商品や介護サービスが考えられますが、
どのような商品やサービスを提供する場合であっても
「誰を対象にするのか」、「競合相手との差別化を図るための工夫」などが必要で、
独自性を発揮することが大切です。

 

何よりも「要介護者や、要介護者を取り巻く家族が何を求めているかを把握し、
それを素早く提供する」ことが基本的なポイントになります。

 

IT分野の新規開発事業も注目を集めています。
介護保険のソフトサービス、サービス事業者むけの保険請求システム、
利用者むけのWebページ、シニアを対象とした携帯電話、
認知症高齢者のための徘徊検索ナビゲータなどの開発も進んでいます。